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長次郎

長次郎 五月雨

2021.4.14  長次郎 

「五月雨」とは旧暦五月ごろの雨だそうです。
ちょうど梅雨時期の雨になりますでしょうか

長次郎黒のカセ肌の黒茶碗ですが、黒釉に含まれる硅石が窯変により結晶し変化をつけています。
箱書きに「長次郎 黒茶碗 銘五月雨」と覚々斎が書付けており、おそらくこの銘は白い結晶の変化を「五月雨」と見ての事でしょう。

長次郎茶碗としては類を見ない作行きの茶碗で、胴には箆目をクッキリと残した珍しい逸品です。

現在は、湯木美術館の蔵となっております。
古の利休時代の雨を感じて「昭楽作 五月雨うつし茶碗」をお使いいただけたら幸いです。

この作品は、昭楽窯公認サイトhttp://takakomarket.official.ec/にて販売中です。

長次郎 東陽坊

2021.2.24  長次郎 

昭楽作 「東陽坊」うつし黒茶碗
重要文化財

利休七種茶碗にかぞえられる黒茶碗で国の重要文化財に指定されている。

箱の表に、利休の自筆とされる「東陽坊」の名がはっきりと墨書されている。
その「東陽坊」の銘は利休の門人で京都の真如堂に住する人物の名で、利休が、その門人・東陽坊にこの茶碗を贈るのに際し、その名を箱に書付けたのであろう。
外箱には、「東陽坊 黒茶碗 利休所持 蓋之書付自筆」と仙叟宗室と文叔宗守が連名で極め書きを記している。

作行は、同じく重要文化財の「大黒」「無一物」とは明らかに異なった独特の姿をしている。
きっぱりと腰を区切って口部にかけて僅かに外へ広がりを見せながら真っ直ぐに立ち上がり、口造りは内に抱え込ませず内側から薄く僅かに丸みをもって削られている。
高台も特徴を持った削りで、その高台は小振りで畳付を幅広く平らに取り、高台内側は小さく円形の削り込んでおり、広く平らな畳付には、目跡がくっきりと五つ残されている。

また、「禿」「万代屋黒」などの、長次郎カセ釉とよばれる艶のない茶褐色の黒釉ではなく、黒楽釉がよく溶けた黒味の強い光沢のある釉調である。
このことからも、「禿」「万代屋黒」のカセ釉の黒茶碗よりもなお高温で焼かれたものと推測されます。

長次郎 万代屋黒

2021.2.17  長次郎 

昭楽作 長次郎「万代屋黒」うつし黒茶碗

まさに「利休形」の典型といえる姿の茶碗で、利休が好んで使った茶碗の一つであり、内箱には、啐硺斎が「利休所持長二郎 黒茶碗万代屋 宗安傳ル依而万代屋黒と云 左(花押)」と書き付けていることから、その銘の「万代屋黒」とは、利休から利休の嫁婿・万代屋宗安に伝来した事から付けられたのであろう。

小振りの茶碗でゆがみや装飾を排した茶碗で、長次郎黒茶碗の初期の作と思われ、利休「侘び茶」の心が作り込まれた茶碗である。

2013年に公開された映画「利休にたずねよ」で実際に使われ脚光を浴びた茶碗である。

長次郎 俊寛

2021.2.15  長次郎 

昭楽作 長次郎「俊寛」うつし黒茶碗

内箱中央の貼紙に利休墨書とされる「俊寛」の銘があることから、利休自ら名付けた数少ない茶碗の一つとされている。

伝えによれば「俊寛」の名称は、薩摩住の門人が利休に長次郎の茶碗を所望してきたので、三碗送ったところ、この一碗を残して他の二碗を返してき、残したこの茶碗の銘を所望してきたので、鬼界ケ島に一人残された俊寛の故事に因んで名付けられたという。

この茶碗の作行きは、全体に薄く削り上げられ、口部も僅かであるが波うち、胴の一方に幅広い箆目を付けている。これらの特徴は、「大黒」「無一物」等とは異なった作行きで、控えめではあるが造形的な加えられ、同じ特色を備えたたの長次郎茶碗を代表する典型作といえる。確かな伝来は不明だが、室町、三井家の蔵となっている。